苔の蒴ふくらむ・三月中旬

苔の蒴ふくらむ 3月17日

苔(コケ)の蒴ふくらむ 3月17日

苔(コケ)の蒴(さく)が

ふくらみはじめました。

 

苔の中から細長く伸びたのが

茎のような蒴柄(さくへい)。

 

蒴柄の先についているのが

蕾のような蒴(さく)です。

 

コケ植物は胞子を飛ばして増えます。

 

胞子が入っている袋が胞子嚢(のう)で

コケ植物では蒴といいます。

 

先月(2月24日)投稿の

モミジの鉢に苔の蒴柄・二月

ではまだ蒴柄が伸びているだけで

蒴はありませんでした。

 

ここ数日で蒴がふくらんだようです。

 

モミジの鉢土に生えてきた苔は

ギンゴケとホソウリゴケが

まざったものだと思います。

 

蒴の形や色は分類上の特徴で

コケ植物の種類によって様々です。

 

けれども未熟な私には

どの苔の蒴なのか

残念ながらわかりません!

 

苔の蒴がふくらむのは春と秋

花のように見える蒴もありますよ。

 

 

昨日今日とあたたかでした。

今日は彼岸の入り、もうすぐ春分です。

モミジの新葉がほんの少し

広がりはじめました。

 

イロハモミジの樹皮に苔

モミジの樹皮の苔

イロハモミジの樹皮の苔

イロハモミジの樹皮についた

苔(コケ)の写真(上)です。

 

このモミジの木の高さは

3メートルほどでしょうか。

高さはさほどありませんが

幹回りは太いですね。

 

幹の一番太い部分は

大人でも腕をまわせないほどです。

 

樹皮は若いモミジの木とは違い

灰色のつるりとしたものではないですね。

 

古木というほどの樹齢ではないでしょうが

ひび割れた樹皮と生えた苔が

年輪を感じさせます。

 

ケヤキの樹皮の苔

ケヤキの樹皮の苔

下の写真はケヤキの

大きな木についた苔です。

 

ケヤキはもともと落葉高木で

この木も優に10メートル以上は

ありますがまだ若い木なのでしょう。

 

しかし樹皮に苔がついていると

なんだか古木の趣があります。

 

イロハモミジについた苔も

ケヤキについた苔も

コケ植物なのか地衣類なのか

よくわかりません。

 

でもどちらにしても苔です。

 

コケ植物も地衣類も

小さなシダさえも苔ですからね。

 

 

八月も下旬

なんだか台風ラッシュ。

ベランダの鉢植えを片付けます。

 

最も繁茂しているミズゴケ

『苔の話』という本を

久しぶりに読み直してみました。

 

著者の秋山弘之さんは

兵庫県立大学(准教授)

兵庫県立 人と自然の博物館(主任研究員)

コケ植物の研究をされています。

 

この本を最初に紹介したのは

2012年の11月28日に投稿した

苔のテラリウムによるポット栽培

ですからもう3年以上前になりますね。

 

今回はミズゴケ(水苔)の話を少し。

 

ミズゴケの仲間は世界に約200種

日本国内には少なくとも35種

あることがわかっている

というのですが

 

なんと

「地球全体の陸地面積の

少なくとも1%がミズゴケ湿原で

占められている」

のだそうです。すごい!

 

「コケ植物の中で最も繁茂している」

のがミズゴケの仲間なのですね。

 

ミズゴケというと

園芸では乾燥させたミズゴケを

よく利用します。

 

ラン植物の根をまいたり

鉢植えの用土に混ぜて

保湿性を高めるのに

かかせないものですね。

 

抗菌性があることから

苗木の保護にも使われるようです。

 

ミズゴケは園芸以外でも

人の生活に利用されているそうです。

 

ミズゴケには

「体内に自分の重さの数十倍もの大量の

水を蓄えることができる力があることと、

優れた抗菌性を併せ持つこと」から

フランスのナポレオン時代から

第一次、第二次世界大戦でも

脱脂綿の代用品として広く

利用されたようです。

 

また

ミズゴケはおいしく食べることのできる

唯一つのコケ植物で

天ぷら!にして食べるのだそうですよ。

 

ただし

ミズゴケ湿原や良好な地球環境を

後世に伝えていくためには

節度ある利用にとどめることが

大切だと述べられています。

 

ほかにもいろいろと

コケ植物に関する興味深い話が

書いてあります。

 

この本は

苔(コケ)好きの人なら

一度は読んでみることをお勧めします。

 

明日は春分。

今日、福岡や名古屋では

平年より早く桜が咲いたようです。

春ですね。

 

『苔の話―小さな植物の知られざる生態』
著者:秋山 弘之

 

苔玉とコケの本

 

シダのある国旗と国歌の苔

もしかしたらニュージーランドの国旗が

かわるかもしれないのだそうです。

 

昨年2015年12月には国民投票により

新しい国旗の候補が選ばれました。

 

新国旗候補のデザインは

ニュージーランドのラグビー代表

オールブラックスのロゴにもある

「シルバーファーン」と呼ばれているシダと

南十字星をあしらったものです。

 

シルバーファーン(Silver Fern)は

ニュージーランドに自生するシダの一種で

葉の裏が銀白色という特徴があります。

名前そのままの銀のシダ(羊歯)ですね。

 

ニュージーランドにはシダ類が広く生い茂り

シルバーファーンは「tree」と言われるほど

大きく成長するシダのようです。

 

日本では葉の裏が白いウラジロというシダが

長寿や心の潔白の象徴として

お正月飾りにつかわれてきました。

 

ニュージーランドのシルバーファーンは

昔からマオリ戦士の間で

「前に進め」の象徴だったのだそうです。

 

またマオリの言葉にある「コル」とは

まだ開ききらない渦巻状のシダの新芽を指し

新生・成長・平和の象徴で

ニュージーランド航空のロゴマークや

ニュージーランドの植物相を表すシンボル

マークのモチーフになっているようです。

 

ニュージーランドの人はシダ好きですね。

なんだか親近感をもてます。

 

今年2016年の3月に国民投票を行い

現行の国旗のままでかえないのか

新国旗候補にかえるのかが決まります。

 

ところでカナダの国旗には

伝統的にカナダのシンボルとされてきた

メープル・リーフ(カエデの葉)が

真ん中に描かれています。

 

このメープルはサトウカエデ(suger maple)

という種類のカエデで紅葉が美しく

樹液からはメープルシロップが作られます。

 

このカナダの国旗は

新しいデザインの国旗で

ユニオンジャックのある旧国旗にかわり

1965年に制定されたものなのですね。

 

日本の国旗は「日の丸」ですが

いろんな国の国旗には

植物がデザインされたものがありますね。

さすがに苔(コケ植物)はなさそうです。

 

でも日本の国歌「君が代」には

苔(コケ)が登場します。

国歌に植物が登場するのはまれでしょうが

まして苔となると日本だけでしょうね。

 

 

立春を過ぎて暦のうえでは春です。

日差しがあるときに

ベランダの片づけや掃除を始めました。

 

苔(コケ)は脇役ではない

「苔(コケ)は主役ではないが

けして脇役でもない。」

 

美の壺 2015年6月12日の放送は

「心癒される苔」というタイトル。

 

この番組の中で

作庭家の重森千青(しげもりちさを)さん

が語った言葉です。

 

京都にある世界遺産のひとつ

龍安寺(りょうあんじ)の石庭。

 

白砂と石の枯山水ですが

石の麓にある苔が

重要な役割を果たしているという。

 

冒頭で紹介した千青さんの言葉は

「苔が(石の硬さを)

微妙に和らげてくれる。

苔にしかだせないものがある。」

これにつづいて語られたものです。

 

重森千青さんの祖父は

昭和を代表する作庭家の重森三玲。

 

千青さんいわく重森三玲は

石を中心とした庭作りをしてきたが

かならず苔を植えていたそうです。

 

重森三玲の代表作のひとつに

東福寺本坊 方丈庭園北庭

があります。

 

板石と苔の市松模様の

斬新なデザインで有名な庭です。

 

この庭について千青さんは

「板石の方が脇役になっていて

苔の方が主役になっている」

とまでいっています。

 

苔は主役でも脇役でも

いい味だしてくれますね。

 

番組で紹介された苔は

モミジの苔玉(こけだま)で始まり

 

苔が主役の苔盆栽の教室風景と

講師で盆栽家の木村日出資さんの作品

 

それから屋久島の苔

 

苔庭では

盧山寺(ろざんじ)の庭

光明院(こうみょういん)波心(はしん)の庭

龍安寺の枯山水

東福寺本坊の方丈庭園北庭

 

苔寺とよばれる西芳寺(さいほうじ)

以前にも苔寺(京都・西芳寺)のコケ

で紹介しましたね。

 

それから

司馬遼太郎が世に知らしめた

福井県の平泉寺白山神社

これも以前

苔でおおわれた福井平泉寺の境内

で紹介しました。

 

さらに

石川県小松市の日用神社と苔の里

 

あとは

苔男(モスマン)も再び登場しました。

庭園デザイナーの石原和幸さんは

イングリッシュガーデンにも苔

で紹介しましたね。

 

最後にフラワーアーティストの

ニコライ・バーグマンさん。

日本の苔庭に影響を受けて

苔をテーマにした作品も作るそうです。

 

きっとNHKの苔好きな方が

番組を作っているのでしょうね。

 

イングリッシュガーデンにも苔

苔(コケ)が使われている

イングリッシュガーデンが

美の壺「和の英国庭園(イングリッシュガーデン)」

という番組で紹介されていました。

 

そもそも

イングリッシュガーデン

または英国庭園とは

どんな庭なのでしょうか?

 

この番組では

「野山のような自然らしさを

表現するのが英国庭園です。」

と解説していました。

 

ある本には

日本でガーデニングブームを起こしている

いわゆる「イングリッシュガーデン」

と呼ばれる庭は

イギリスのコッテジガーデンの流れを

受け継いでいると書かれています。

 

そのコテッジガーデンについては

「田園地帯の田舎家では、
イギリスでもともと生育していた
たくさんの多年生植物を使った庭園が
相変わらずつくられていた。
この庭はコテッジガーデンと呼ばれ、
そもそも
イギリスの長い庭園の歴史に見られる
時代や様式の変化と関わりなく
存在してきた庭である。
農家の庭であることから、
室内を飾る草花もあるし、
毎日の食卓にのぼる野菜や果樹も
当然植えられており、
持ち主が自分自身でつくりだし、
かつ手入れも行う、
いわば生活の庭であるといえる。」

 

この農家の庭であるコテッジガーデンを

都市の富裕層が新しいタイプの庭として

とり入れていったものだそうです。

 

番組で正統派イングリッシュガーデン

として紹介されたのが

恵泉女学園大学の

恵泉蓼科ガーデン(長野県茅野市)

一般に公開されていないので

「秘密の花園」と呼ばれるそうです。

 

このイングリッシュガーデンには

イギリスでは使われない石が

使われていて

その石にはびっしりと苔が

生えているとのこと。

 

もうひつとつは

苔を大胆に用いた英国庭園で

高い評価を得たガーデンデザイナー

mossman(コケ男)こと

石原和幸さんの庭。

里山の風景がデザインのベースなのだとか。

 

湿度が高い日本では

英国庭園にも苔が生えて

なんとなく和風の庭になりますね。

 

参考書籍
『“イングリッシュガーデン”の源流―ミス・ジーキルの花の庭』宮前保子

 

十一月七日は立冬

暦の上では冬に入りました。

昨日も今日も曇り空

寒い一日が続いています。

 

植物界最強の脇役、苔(コケ)

植物男子ベランダーという番組に

ようやく苔(コケ)が登場しました。

 

ストーリーとは直接関係のない

ミニコーナー「愛しの草冠」で

「草かんむりに台と書いて苔(こけ)」

との紹介。

 

まずコケ植物については

「蘚苔類またはコケ類の植物

世界で約2万種が知られている」

と簡単な説明。

 

苔のイメージは

地面に這いつくばるように増えていく

地味

侘(わび)、寂(さび)の世界

盆栽の引き立て役

 

そして

「自らを主張せず

主役を活かすことに徹するその姿は

まさに植物界最強の脇役」だと。

 

地味な脇役の苔。

そこがいいのかもしれません。

 

苔に関するトピックとしては

バイ菌をよせつけないほど

高い抗菌性を持ち

第一次世界大戦時には

脱脂綿の代用品になったことや

 

ワニの身体に付着する

コケと名のつく地衣類があること

 

苔寺として有名な

京都の西芳寺も紹介されました。

 

この番組の原作は

『ボタニカル・ライフ―植物生活』(いとう せいこう)

という本ですが

著者のいとうせいこうさんは

他にも植物に関する本を

何冊か書いているようですね。

 

今は第四十二候(処暑の末候)

「禾乃登(こくもの すなわちみのる)」

禾(のぎ)とは稲、麦、粟など穀物のこと。

登は、ここでは実るという意味。

稲が実り穂を垂らす時季です。

 

朝夕はだいぶ涼しくなりました。

 

史上最強の生物、ギンゴケ。

史上最強の生物は何でしょう?

 

「結論はギンゴケ。

同じ種が

低温で紫外線の強い高山や南極から

高温で乾燥する都市まで生育している

陸上植物はほかにはないだろう。」

 

『コケのふしぎ』(樋口正信)という本の

「史上最強コンビ-クマムシとギンゴケ-」

というトピックに書かれてあることです。

 

どうしてギンゴケが最強なのかというと

クマムシ(緩歩動物)のように

史上最強の生物とも言えそうな

非常に強い生命力の動物でも

 

著者いわく

「動物、そして菌類やバクテリアも

しょせん、エサがないと生きていけない

他者依存の従属栄養生物なので、

最強とはいえないだろう。」

ということ。

 

他者に依存しない生物というと

光合成により生育する植物や藻類

化学反応からエネルギーを得る

一部のバクテリアなどになります。

 

この中でも陸上植物である

コケ、シダ、種子植物以外は

比較的穏やかな水の中を

生活環境とすることから

最強の候補からは除外。

 

残った陸上植物の中で

最強の植物なのが

結論にあるギンゴケ

という訳です。

 

なんだかデリケートで

弱々しいイメージもある

コケ植物ですが

ギンゴケが最強なんですね。

 

ちなみにクマムシは

ゆっくりと歩くその姿から

緩歩動物とよばれ

大きさは0.1mmから1mmほど

形がクマに似ています。

 

南極から熱帯、超深海から高山

海・水中・陸、なんと温泉の中まで

ほとんどあらゆる環境で生息する

非常に強い生命力の動物です。

 

顕微鏡で見るような生物で

まったく知りませんでしたが

そんな動物がいるのですね。

 

ある種のクマムシは

ギンゴケの中に住み

ギンゴケを食べているそうです。

 

最強の動物クマムシが

最強の植物ギンゴケの中で

生きているとは

まさに最強コンビですね。

 

『コケのふしぎ
なぜコンクリートの隙間や塀に生えるの?
原始的な陸上植物といわれるワケは?
(サイエンス・アイ新書)』

この本はコケの入門書。

コケはどのような生物で

どういう種類がどんな場所で

どのような生活をしているのか

いろんな角度から書かれています。

 

 

今は第四十候(処暑の初候)

「綿柎開(わたのはなしべ ひらく)」

柎(はなしべ)とは花の咢(がく)

綿を包む咢が開き始めるころ。

今日は涼しいです。

 

苔(コケ)の味は

『コケはともだち』(藤井久子 監修・秋山弘之)

という本に苔(コケ)の味が書いてあります。

 

コケ植物の研究者たちは

苔を食べてみてその味を

専門書などに書いているようですが

 

この本の著者、藤井久子さんも

実際に三種類の苔を

生のまま食べて味見したようです。

 

苔の味についての部分を抜粋すると

 

まず、オオミズゴケ

「最初にコショウに似たスパイシーな味があり

(と書くとおいしそうだが)、

そのあとにはピリツとした辛味、

そして強い苦みがあった。」

 

次は、ホソバオキナゴケ

「草のような青臭い味のあとに苦味があり、

さらに歯ざわりが砂をかんでいるように

大変悪い。」

 

最後に、ジャゴケ

「鼻を近づけただけで

サンショウのような強い香りがする

(これは私にとっては意外にも

好感の持てる香りだった)。

えいやっとかんでみると、

香りほど味は濃くなかったが、

スッと鼻に抜ける爽やかな風味。

どちらかといえば、口にねばつきが

残ることのほうが気になった。」

 

コケ植物の研究者の多くは

苔はマズイと言っているようですが

意外にも著者の好みにあう?

苔もあったようですね。

 

ちなみに

これまで有毒な苔は

見つかっていないそうですが

私は食べないで

眺めるだけにしておきます。

 

 

今は第三十九候(立秋の末候)

「蒙霧升降(もうむ しょうごう)」

初秋の朝、深い霧が立ちこめる頃。

 

厳しい残暑が続いていますが

もうすぐ処暑(しょしょ)です。

この本は苔(コケ)の魅力や

コケ植物の観察方法などが

楽しく物語風に書いてある

コケの入門書です。

 

クラーク苔という名の地衣類

札幌農学校のクラーク博士が

学生達との手稲山雪中登山で

新種を発見し

後に「クラーク苔」と名付けられた

というエピソードがあります。

紙芝居「さっぽろとクラーク博士」より)

 

この「クラーク苔」ですが

コケ植物ではなく地衣類のようです。

コケ植物以外に

地衣類シダ植物などにも

苔(コケ)という名のつくものが

たくさんありますが

地衣類やシダは

コケ植物ではありません。

 

さらに地衣類は植物ですらなく

菌類の仲間です。

 

昔から生物は

動物界と植物界の二界に

わけられてきましたが

微細な生物の研究が進んだ今では

菌界、細菌界、クロミスタ界、

および原生動物界の四界を加えた

修正六界説が有力なようです。

 

この分類だと

コケ植物とシダ植物は植物界で

地衣類は菌界に属します。

 

ちなみに

コケ植物もシダ植物も

胞子によって増える

という点は同じですが

コケ植物には維管束という

内部組織がありません。

 

シダ植物は花は咲きませんが

コケ植物には無い維管束があるので

花が咲く種子植物とともに

維管束植物とも呼ばれます。

 

分類というのはややこしいですね。

 

 

七十二候も後半です。

第三十七候(立秋の初候)

「涼風至(すずかぜ いたる)」

秋の涼しい風が吹き始める時季。

 

立秋の後

一日だけ涼しい日がありましたが

まだまだ厳しい暑さが続きそうです。