万葉集の苔(こけ)

今日11月7日は十九節気の立冬(りっとう)。

暦の上では冬のはじまり

立冬から立春の前日までが

暦の上での冬です。

 

第五十五候 立冬 初候

山茶始開(つばきはじめてひらく)

山茶花(さざんか)が咲き始める頃です。

 

山茶を「つばき」と読ませていますが

サザンカのことです。

 

サザンカもツバキの仲間なのですが

ツバキの花が2月ごろに咲くのにたいし

サザンカは晩秋から初冬にかけて

鮮やかなピンクの花を咲かせます。

 

山茶はツバキの仲間全般をさす漢名で

「さざんか」は山茶花(さんさか)の音が

変化した(訛った)ものだそうです。

 

ツバキは日本原産の常緑樹で

花が美しく万葉集にも詠まれています。

 

先ごろ文化勲章を受章された

万葉集研究の第一人者の中西進さんが

監修した万葉集入門書の解説によると

ツバキ(椿)は

梅、桃、スミレ、桜、ツツジ

などとともに春の花です。

 

ついでにいうと夏は

フジ、ユリ、ウノハナ、ハナタチバナ

など

 

秋は

ナデシコ、オミナエシ、ハギ、モミジ

ススキなどなど

 

そして冬の植物としては

ヤマタチバナ、ササ、マツ

黄葉(もみじ)、梅の初花

などとのこと。

 

因みに苔(こけ)も

ちゃんと万葉集に登場します。

 

「苔生(む)す」という言葉が

長い時の流れを表現するのに

使われています。

 

「み吉野の 青根が峰の 苔むしろ

誰か織りけむ 経緯(たてぬき)なしに」

(詠み人知らず)