街道をゆく37・苔や歯朶

『街道をゆく37』は本郷界隈です。

 

苔(コケ)とシダ(歯朶)

それにモミジ(紅葉)も登場します。

 

まずは苔とシダ。

 

「無縁坂」より

”『雁』では「蒸した

石と石との間から、

歯朶や杉菜が覗いていた」といい”

 

東大医学部裏手の鉄門から

上野不忍池に向かって下る坂が無縁坂。

 

明治の文豪、森鴎外の小説『雁』では

主人公の青年が日課のように

この無縁坂をくだって散歩をします。

 

無縁坂の南側には

旧岩崎邸の石垣が続いています。

 

明治時代の石垣は苔むして

シダが生えていたようですが

司馬さんが訪れたときには

戦後に作りかえられた石垣のようで

石と石の間に隙間はありませんでした。

 

鴎外の書いた歯朶(シダ)の朶は

しだれるという意味の字ですね。

 

ちなみにスギナもシダの仲間です。

スギナの胞子をつける特別な茎が

春先に芽生えるツクシですよ。

 

 

つぎはモミジです。

 

「近藤重蔵」より

「重蔵三十八歳のとき、

江戸城の紅葉山(もみじやま)文庫の

御書物奉行になった」

 

近藤重蔵は江戸後期の旗本で北方探検家。

北海道や千島を踏査し

択捉島に「大日本恵登呂府」という

木標をたてた。

 

江戸城内の紅葉山という丘の麓に

将軍の図書館があったようです。

今は皇居の紅葉山御養蚕所です。

 

紅葉山は楓山と書くこともあったとのこと

モミジ・カエデの丘だったのでしょうね。

 

 

先週(2017年9月2日放送)のブラタモリで

奥入瀬渓流の苔が登場しましたね。

タモリさんも苔の観察をしていましたが

女性アナウンサーのほうが興味ありげで

「コケガール誕生!?」の文字が。

 

 

昨日は白露

朝晩は涼しい日が続いています。

明日は重陽、菊の節句ですね。

 

 

『街道をゆく』司馬遼太郎
37・本郷界隈